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姿勢は気力の第一歩
先日、野村万作さんの狂言がさいたま市のノースプラザであった。コロナで昨年、一昨年と中止になり、3年ぶりの公演だった。御年90歳と思えぬ姿勢の良さ。声の張り。見事な演技。感服した。毎日の精進が出来てないと、あの演技は無理でしょう。心身の充実ぶりが分かる。
千玄室さんも数えで100歳とか。「到知」で読んだが、夜は8時には休み、朝は4時に起きるとか。日本馬術連盟の現役の会長で、今もときどき馬に乗っている。
先の戦争では特攻隊の生き残りで、今も亡き戦友たちの声が聞こえると言う。特攻で飛び立つ戦友たちに、やかんのお湯でお茶を点てた。皆、「おいしいなぁ」と言って飲んでくれた。
茶会の後、母親に会いたくなった戦友たちが立ち上がり、故郷の方に向かって叫んだ「お母さーん」。戦友たちは自分が死ぬことで国が救われるという気持ちで飛び立っていった。その連中が今の日本を見たらどう思うか。
自分が少しでも怠惰な気持ちになると、自分に言い聞かせる。「あの頃のことを思い出せ」。すると自然にぐっと力が湧き、構え方が変わってくるという。
氏は言う。人間誰もが大きな使命を担っている。使命と言っても、最初から答えが与えられている訳ではない。いろんなことを学びながら、また経験を重ねながら自分の役割は何か、答えを出していく以外にないのだ。
70年以上、国内外で茶道の普及を続けてきた。その精進、気魄はピンと伸びた姿勢からもうかがえる。